<金属アレルギー>第6章:金属アレルギーのお子さまが日常生活で気をつけるべき点

皆さん、こんにちは。金アレ族代表、金属アレルギーカウンセラーの鈴木久子です。
託児付きランチの「ここるく」のお役立ちコラムとして、「発症すれば一生のお付き合い!子どもを金属アレルギーから守るには?」というテーマで連載する第6回目です!

既に金属アレルギーだと分かっているお子さまが、普段生活をしている中で何を気を付ければいいのか。実は、食事や衣類選びなど気をつけるべき点が沢山あります。
こんなものまで?というポイントをコラム最終章ではお伝えして参ります。

【お食事】

金属と食物。
あまりピンとこない方もいらっしゃるかと思いますが、実は食物の中にも微量に金属は含まれています。どの食材にどんな金属が含まれているか表をご覧ください。
子ども 金属アレルギー 金属が含まれる食材

例)
○ すべての豆類 ・・・>ニッケル コバルト 、亜鉛、 銅
○ チョコレート ・・・>ニッケル コバルト クロム、 亜鉛、 銅
○ じゃがいも、玉ねぎ・・・>亜鉛
○ 紅茶、ココア ・・・>ニッケル コバルト クロム など

お子さまに原因不明のかゆみがある場合、チョコレートの摂取などによるニッケルアレルギーなどの金属アレルギーを疑う場合があります。

子ども 金属アレルギー チョコレート
ただし、ここで注意していただきたいのは、普段何気なく摂取している金属には、お子さまの成長に必要な栄養素やミネラルが含まれていることがあります。
例えば「亜鉛」は、たんぱく質の合成や骨の発育などに必要な必須ミネラルです。
もし亜鉛が不足すると、味覚障害や発育不全、機能性障害などを引き起こすと言われていますので、独自判断はせずに気になることがあれば必ず専門医の指導を受けるようにしてください。

【衣類など身に付けるもの】

金属アレルギーだと分かっているお子さまには、着せる衣類にも配慮が必要です。
注意すべき点は、「染料」です。
「染料」にはさまざまな種類がありますが、金属が混ざっている染料が使用されている場合があります(含金属染料や金属錯塩染料など)。

例えば、生地別にいうと、羊毛やナイロンの染料にはクロムとコバルト、綿の染料には銅、アセテートにはニッケルが直接染法用として使用されている場合があります。
青系の染料で着色された衣類には、コバルトを含む染料を使用していることがあるというとイメージしていただきやすいでしょうか。(全ての繊維・布に共通するわけではありません)

金属アレルギーというと「直接金属が触れた事でアレルギー反応がおこる」というイメージが強いですが、染料に含まれている金属にも反応してしまう敏感なお子さまもいらっしゃいます。

では、お子さまに安心な繊維を使用した衣服を選びたいと思われた時、目安として覚えていただきたいのが「エコテックス®認証」を受けた衣類です。
↓エコテックス®認証マーク
金属アレルギー 安全 エコテックス認証
※エコテックス®認証は、繊維製品やその関連製品に身体に有害な物質が含まれていないことを証明する、全世界共通の認証です。日本では、一般財団法人ニッセンケン品質評価センターが認証活動を行っています。
エコテックス®日本公式サイトはこちら

金属アレルギーの心配だけではなく、お肌の敏感なお子さまへの衣類選びとしてエコテックス®認証を受けた製品を是非手に取ってみてください。

【その他】

その他にも、普段お食事で使用しているカトラリーや、調理器具にも配慮が必要な場合があります。

○金属アレルギー反応が重度の場合は、食事中に使用するカトラリー(スプーン・フォーク)でも手やお口まわりにカユミを訴えるお子さまがいらっしゃいます。その場合は、木製やプラスチック、セラミックなどのカトラリーに変更されると良いでしょう。

○調理器具の場合は、お鍋等はステンレス製からホーロー製に変更されたり、包丁やスライサーはセラミックの刃に変更される方が多いようです。また、アレルギー対策先進国のEU諸国のメーカーのものを購入される方も多いようです。ニッケル含有率がとても低いものが販売されています。

○お子さまが遊ぶおもちゃも金属製のものはなるべく避けた方が良いでしょう。

○日焼止めクリーム等は「酸化チタン」が含まれている場合があります。チタンアレルギーのお子さまには、使用される前に成分を確認してから使用される事をお勧めします。

今回は、金属アレルギーのお子さまが日常生活で気を付けるべき点についてご紹介してまいりました。
「原因不明のかゆみ」がある場合は、まずは専門医に相談されることが一番です。
そこで金属アレルギーだと診断された場合、普段の生活の中でどこに金属が使用されているか、混ざっているかに気をつけて子育てをして行かれると良いと思います。

最後に・・・・
今まで第0章から第6章までコラムにお付き合いいただきありがとうございました。
金属アレルギーは「発症」も、「反応」も避けることが可能なアレルギーの一種です。
まずは「知る」ことから、出来る限りお子さまを金属アレルギーから遠ざけ、快適な生活を送りましょう。

筆者のご紹介:鈴木久子

金属アレルギー カウンセラー 鈴木久子
IT業界でキャリアを築いた後、 結婚後出産を機に退職。2児の母。
金属アレルギー歴20年から得た知識と、それでもおしゃれをしたいという欲求から、自らを「金アレ族代表」と名乗り、前職とは異なる「素材の明確なアクセサリーを」を掲げネットショップ運営を行う。
それと平行し、金属アレルギーカウンセラーとしてセミナー講師活動を通じて金属アレルギーに関する啓蒙活動にも力を入れている。

★一般社団法人金属アレルギー協会★
https://www.metallicallergy.or.jp/