<金属アレルギー>第5章:金属アレルギーの「予防的」アクセサリー
皆さん、こんにちは。金アレ族代表、金属アレルギーカウンセラーの鈴木久子です。
託児付きランチの「ここるく」のお役立ちコラムとして、「発症すれば一生のお付き合い!子どもを金属アレルギーから守るには?」というテーマで連載する第5回目は、「金属アレルギーを発症させない予防的なアクセサリー」についてです!
0.子どもを金属アレルギーから守るには?
1.金属アレルギーのメカニズムを知りましょう
2.金属アレルギーの体質は遺伝する?
3.自分の子供に「ピアスをしたい」と告げられた時 知っておくべき事
4.これって金属アレルギーなの?
5.金属アレルギーの「予防的」アクセサリー
6.金属アレルギーのお子さまが日常生活で気をつけるべき点
今は金属アレルギーではないけれど、いつ発症するかわからない金属アレルギー。発症すると一生のお付き合いとなり、酷くなると100円玉の硬貨も素手で触れないほどに悪化されるケースもあるようです。
そうならないためには、そして発症をさせないためには、予防をするのが一番なのですが、その予防方法があまり知られていないのも現状です。今回はその方法を一部お伝えしていきます。
3人に1人が金属アレルギー?!
お仕事上、ショップの紹介をさせていただいた時や、環境アレルギーアドバイザーとしてお話をさせていただく時、実に「3人に1人」は金属アレルギーで悩まれていると体感しております。
その「3人に1人」という数字は、はっきりと自分で自覚されている方は少なく、殆どが「もしかして、なんとなくそうかも?」と感じておられるようです。
「ピアスによっては、ネックレスによってはかゆいけど、どうしてだろう」
「安いモノだとかゆくなるけど・・・・」
「体調が悪かったからかしら?」
前回までにお話いたしましたが、まずは、第一歩。
金属アレルギーを発症させないためには?
・ピアスホールをあけるときには細心の注意を!
・むし歯にならないならないように。もしなってしまったら詰め物の金属を良く吟味しましょう
といった事を主に注意するとリスクを下げることが可能と言われています。
実はその他にも、「普段身に付けるアクセサリーや腕時計」によって、新しく発症してしまうリスクをさげることが出来ます。
皆様は「イオン化傾向」という言葉をご存知でしょうか。学生時代勉強したような、していないような?
『イオン化傾向』とは・・・
【金属が陽イオンになるときのなり易さ】です。
金属にはイオンになりやすいものと、なりにくいものがあります。
例えば・・・・
・ニッケルは「イオン化傾向が高い」
・金(ゴールド)は「イオン化傾向が低い」
と、表現されます。
では・・・ここからがアクセサリーや腕時計に大事な要素です。
「酸との反応」について
金属によって反応性はかなり異なってきますが、金属は酸によって溶ける性質のものがあります。そして、「金属アレルギー」の観点から重要なのは・・・
『人間の汗は「塩素」を含んでいる = 汗は金属を溶かしてしまう 』
という点です。
ちょっと驚きですね。
金属アレルギーのメカニズムは、
①イオン化した金属が体内に入る
②金属イオンが粘膜と結合することでもともと体内には無いタンパク質が出来る
③そのタンパク質を白血球が「敵(異物)」とみなし、攻撃する
④炎症を起こす(かゆみ)
です。
【溶けやすい金属】
・ニッケル
・コバルト
・クロム
・銅
・亜鉛
・真鍮
・パラジウム
(順不同)
です。
金属アレルギーでお困りの方は、「安い金属はかゆくなる」というお話をされる方が多いですね。
そうですね。アクセサリーを構成している金属をメーカーに問い合わせると、安価なアクセサリーには「ニッケル」や「クロム」などが沢山使用されていることがお分かりになるかと思います。これらは汗(酸)で溶け出しやすい金属です。
以上を踏まえまして、「安いモノ」はかゆくなるという皆様のイメージは間違ってはいません。
しかし・・・K18、プラチナでもかゆくなる、という方もいらっしゃいます。
例えばPt1000以外のプラチナアクセサリーには、加工や強度などの問題上プラチナだけでなく、「パラジウム」という金属が使用されている合金だからです。
【パラジウム】は金属アレルギーを起こしやすい金属として知られていますし、汗で溶けやすい金属でもあります。
長くなりましたが最後に、
「汗(酸)で溶けにくい(イオン化しにくい)金属のアクセサリーを普段から使用することが大事」だと考えます。
それぞれの状況などが異なってくるので難しいかとは思いますが、普段から身に付けるとしたら、純プラチナ、純金、純銀、そして純チタン、ステンレスの316L(316Lときちんと表記のあるもの)をオススメいたします。
筆者のご紹介:鈴木久子
IT業界でキャリアを築いた後、 結婚後出産を機に退職。2児の母。
金属アレルギー歴20年から得た知識と、それでもおしゃれをしたいという欲求から、自らを「金アレ族代表」と名乗り、前職とは異なる「素材の明確なアクセサリーを」を掲げネットショップ運営を行う。
それと平行し、金属アレルギーカウンセラーとしてセミナー講師活動を通じて金属アレルギーに関する啓蒙活動にも力を入れている。