<肌トラブル>アトピーケアのための食用「油」の摂り方

最近では、サラダ油やバターの代わりに、エキストラバージンオリーブオイルをお使いの方が増えていますね。

 

他にも、荏胡麻油、亜麻仁油を意識的に摂る方も増えているようです。皆さんはいかがですか?

 

でも、これらの体に良いと言われる「油」以外に、アトピーを誘発したり、悪化させる要因を含む「油」に囲まれているのをご存知ですか?

 

ヒトの三大栄養素と言えば、たんぱく質・炭水化物・脂肪ですね。そのうち脂肪は、グリセリンと脂肪酸がエステル結合(この名前は、ここでは重要ではありませんので、飛ばして下さい。)したものですが、その脂肪酸の中でもリノール酸α-リノレン酸は体内で生成できないため必須脂肪酸として外から摂る必要があるものです。

 

ですが、このリノール酸は「必須」にも拘らず、1970年代以降コレステロール値を下げるとしてもてはやされた結果、過剰摂取の状態になり、結局このリノール酸の摂り過ぎがアトピー性皮膚炎を増やしている原因のひとつと明言されています。

 

リノール酸は、日本で流通している食用油のほとんどに多く含まれています。

 

菜種油(キャノーラ油)・大豆油・紅花油・コーン油・ひまわり油・グレープシードオイルは、脂肪酸組成の半分以上がリノール酸です。それらを使って作られるものに、サラダ油、市販のお菓子の類、マヨネーズ、クッキー、ドレッシング、植物性クリーム、マーガリン、カレーのルウなどがあり、外食をすれば、調理に使う油はほとんどがサラダ油かピュアオリーブオイル(栄養分、味、香りを抜いたもの)なので、こんな風に見ていくと市販されている食糧に油が使われていないものを探す方が大変です。

 

リノール酸は、体内に入るとアラキドン酸という物質になり、もともと細胞膜の構成要素のひとつにも拘らず、過剰摂取によってプロスタグランジンなどの炎症を引き起こす物質が多く作られてしまいます。この炎症は、いきなり痛みを起こすようなものではないのですが、細胞レベルで僅かにではありますが、でも確実に炎症を広げていくようです。

 

アトピーや肌の炎症が気になるお子さんのためには、できるだけ、マヨネーズやドレッシングを手作りしたり、油を使った市販のお菓子などは適当な量で抑えるようにしたいところです。

 

手作りをするときにおススメできるのは、やはり、エキストラバージンオリーブオイルです。リノール酸を含みますが、同じく必須脂肪酸であるα-リノレン酸(体内で、DHAやEPAになる)の含有量が少ない上に、配合比率が母乳に近いのでお子さんにも安心です。また、オリーブの品種によって65%~80%の含有量になるオレイン酸は、からだを酸化から守り、LDLコレステロール値を下げる等、積極的に健康維持に役立つことが多いからです。

 

いつも使う「油」と、買う食べ物に使われる「油」をちょっと気にしてみて下さい。

 

ちなみに、今流行りのココナッツオイルですが、ダイエットやアルツハイマー予防が人気の理由のようですが、良い効果と同時に、常温で個体の油なので、体内での吸収があまり良くなく、摂り過ぎると血管を詰まらせる不安もあるので摂り過ぎは禁物です。

 

 

筆者のご紹介

Ayumi Kudo Profile工藤亜由美

 

子どもの頃からの自身のアトピーを治すため、病院通いや様々な方法を試行錯誤した経験と、体質について学んだ漢方の知識、15年以上携わった化粧品会社でのスキンケア商品開発経験から学んだ肌のことをベースに、スキンケアに関する情報発信や化粧品の開発・販売を行う。ドクターが所属するスキンケア情報サイト・スキンケア大学でもコラムを執筆中。

 
 

オー・リーブ・ジャパン株式会社 代表取締役
漢方上級スタイリスト
オリーブオイルソムリエ
澄(スミ)クリアローションHP