<肌トラブル>アトピーの子どもにしてあげられること②【洗うこと編】

アトピーでなくても、皮膚科で塗り薬をもらうとき「お薬は、お風呂上りの清潔な皮膚につける方が効果的ですよ。」と言われたことはありませんか?

 

その清潔な皮膚を保つためには、やっぱり肌を洗いますよね。今回は、この「洗う」ことについて少し書いてみます。

 

■手作りせっけんは、必ずしも肌にいいとは限らない?

 

皮膚科の先生に、上に書いたようなことを言われて、ある時期、薬をつける時に神経質になったことがありました。肌を清潔にしなければいけないと感じて、でも、市販の石鹸では沁みるので、自分で作ってみたことがありました。

 

材料は、苛性ソーダと精製水と植物油のみでした。

 

でも、やっぱり沁みるんです。ちくちくと痛い感じ。
恐らく、苛性ソーダだと思います。確かに、苛性ソーダは薬事法でも劇物指定されていて、ゴム手袋をはめて絶対に直接触らないように注意しながら取り扱ってました。そういうもので石鹸は作られています。よく、手作り石鹸として販売されていますが、薬事法の管轄ではない「雑貨」として販売されていることが多く、パッケージのイメージで良さそうな感じがしますが、肌へのやさしさが必要な時は、避けた方がいいもしれませんね。

 

同じく、石鹸素地100%と表示されているものがあります。

 

さらに肌にやさしそうなイメージですが、この石鹸素地を作るために苛性ソーダは使われます。つまり、固形石鹸を作るためには苛性ソーダが必要なんです。石鹸素地そのものが何から出来ているのかが書かれていないので、なかなか外から見ても分かりにくいところです。

 

■おすすめは、酵素パウダー

 

私は、肌が弱っている時や、自分がアトピーだと肌が汚れているのではないかという神経質的な不安にかられて、洗ってしまうこともあり、そういう時に使っていたのが、酵素パウダーです。

 

化粧品では、酵素洗顔パウダーとしてそのものズバリの商品がありますね。肌表面の余分な角質をとり除き、毛穴の奥の油や汚れをとるという効果がうたわれています。この酵素パウダーのいいところは、泡をたてなくても、余分な角質がとれるところです。

 

アトピーの肌の特徴のひとつは、正常な肌の新陳代謝ができないことです。生まれてくる細胞が代謝によって肌表面から垢となって出ていくまでの流れがうまく出来ず、肌の上でも、自然にはがれるはずの角質(垢)がはがれないため、皮膚が固くなったり、めくれるように荒れたりします。

 

酵素パウダーは、このはがれにくくなってしまった角層を肌に負担なくとりのぞいてくれます。酵素パウダーはいわゆる「泡立ち」はしないので、泡洗顔による皮脂のとりすぎなどもありません。

 

洗顔なので、不要な汚れを取り除きながらも、肌を正常な状態に近づけてくれます。薬の塗布は、この洗顔後がいいですね。

 

icn_baby

■お風呂では、お母さんの手で洗ってあげて

 

これは、もちろん、コットンのタオルでさえ物理的な刺激になってしまうので、何かを使って洗うことはできるだけ避けたいところですね。一番いいのは、人の手です。

 

私は、タオル類は使ったことがないのですが、手は、「手当て」という言葉があるように、手を当てるという行為が、人のからだや気持ちを癒す効果があると言われています。
それと、肌の悩みは他の人からも見えてしまうので、人の目を気にしたりする傾向が出てきます。そんな時に、人の手で患部を触れられると、大げさに聞こえるかもしれませんが、拒否されていないんだなと思えたりします。特に、ママのタッチはとても安心します。

 

お湯だけでも、実は、毎日の汚れはとれていたりしますので、やさしくなでるようにあらってあげてください。

 

 

筆者のご紹介

Ayumi Kudo_2工藤亜由美

子どもの頃からの自身のアトピーを治すため、病院通いや様々な方法を試行錯誤した経験と、体質について学んだ漢方の知識、15年以上携わった化粧品会社でのスキンケア商品開発経験から学んだ肌のことをベースに、スキンケアに関する情報発信や化粧品の開発・販売を行う。ドクターが所属するスキンケア情報サイト・スキンケア大学でもコラムを執筆中。

 

オー・リーブ・ジャパン株式会社 代表取締役
漢方上級スタイリスト
オリーブオイルソムリエ
澄(スミ)クリアローションHP