<海外子育て事情>保護者と学校がWin-Winの関係に~米国のクラスボランティア~その②

海外在住ママが、現地の子育て事情をレポートしてくれる「海外子育て事情」コラム! アメリカ在住のAtsukiさんからのレポートです☆

 

・゚☆゚.・゚☆.・゚☆.・゚・゚☆゚.・゚☆.・゚☆.・゚・゚☆゚.・゚☆.・゚☆.・゚

 

ボランティアの種類は、日本でも良く見られる登下校時の安全確保や図書整理、読み聞かせなどの他に、先生のアシスタントとして、ELL(English Language Learners、英語を母国語としない生徒のための英語のクラス)や算数、作文、体育、コンピューターなどの、授業を進めるお手伝いまで含まれるところが日本と大きく異なります。

 

お手伝いの内容は、科目により、担任の先生により、その時の状況によりで変わってきます。限られた数の教材をクラス全員で使用するときに、子供たちを一列に並ばせたり順番を守らせたりする役目もあれば、英単語のスペルや音節の数や区切りについて子供たちに質問されることもあります。

 

毎月、学級委員を務める保護者が、クラスのカリキュラムを確認し必要となるボランティアの内容と空き状況の一覧を作成してくれます。それをソーシャルメディアを利用して、他の保護者に公開・共有し、やってもいいなと思える内容で都合の合うものがあれば、各自そのままオンライン上で登録するシステムです。

 

あくまでボランティアはできる人がやるものなので、一切強制はされません。毎月のリストを見た印象としては、良く見かける名前もあれば、1~2ヶ月に1回くらい参加する人もいて、それぞれのペースでリストの穴が埋まっていく感じです。私の場合は、もうすぐ3歳になる次男が9月にプリスクール入学予定で、その後ボランティアデビューするつもりですが、これまで居心地が悪くなるようなことはありませんでした。できる人がやる、これがアメリカ流のようです。

 

日米のボランティア経験者の感想を聞いてみたところ、やはり自分の目で我が子の様子を確認できるというのが、なんと言っても最大のメリットなのだそう。また授業内容と進度を確認できるので、家庭学習を進める上での参考になるという意見もありました。何よりも各自ができる時に参加するスタイルなので、重い責務と感じず子供たちと過ごす時間を楽しめているようです。

 

日本のPTAも役員ばかりが大変な思いをするのではなく、仕事を細分化して、なるべく多くの人を巻き込むように変化していくといいですね。教育を学校に任せきりにするのではなく、保護者も一スタッフとして関与するのは、学校と保護者の双方にメリットがあるように思えます。保護者にとっては子供の様子が分かるだけでなく、学校が今以上に開かれたものになるでしょうし、保護者との相互理解も深まるはず。結果的に子供たちにとってより良い環境が作られるのではないでしょうか。

 

以上、アメリカからの現地レポートでした!今後も、アメリカで見て、聞いて、感じた、子育て情報をお届けいたします。

 

<その①へ戻る>

 

筆者のご紹介

Atsuki ATSUKI

 

外資系アパレルブランドでの編集・広告担当を経て、ライター兼エディターに転身。インテリア雑誌と英文機内誌の編集に携わった後、配偶者の転勤に伴い、2013年から家族4人で米国生活を開始。車社会の運動不足を解消すべくズンバを踊ってみるも、子供たちに失笑される日々。それでもめげずに米国生活を満喫中!